『コンプライアンス革命』を読みました。
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コンプライアンス革命―コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機 郷原 信郎 文芸社 2005-06 |
企業による不祥事が数多く報道されている今、コンプライアンスの重要性が今まで以上に叫ばれています。本書はサブタイトルに「コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機」とあるように、「コンプライアンス=法令遵守」という安易な理解の仕方が勘違いにつながり、企業による不祥事を助長するものだとして警告しています。
法令を遵守するために不都合な事実を隠蔽していたり、法令遵守を強調するあまり問題の本質が議論されないまま事件が風化していることがあるようです。筆者は、
単なる「法令遵守」を超えて、社会の要請に「適応」していくことが、真のコンプライアンスなのである。
と主張します。
では、そのような「真のコンプライアンス」を達成するためには具体的にどうすれば良いのか?
筆者は「真のコンプライアンス」を達成するための具体的な方法論として、「フルセット・コンプライアンス」という5つの要素を提唱しています。
1. 方針の明確化
2. 組織の構築
3. 予防的コンプライアンス
4. 治療的コンプライアンス
5. 環境整備コンプライアンス
方法論の提示に続いて、三菱自動車や雪印、官公庁などの実際に起こった事例を取り上げて、真のコンプライアンスについて、つまり「コンプライアンス=法令遵守」だけでは対応ができないことを解説していきます。
それぞれの説明はたしかにわかりやすく、たしかに文字通りの法令遵守だけではコンプライアンスが達成できないということはわかります。
しかし、せっかく「フルセット・コンプライアンス」という名前までつけて5つの要素を説明しているにもかかわらず、例えばこの5要素を実際の事件に当てはめて、本当はこうやれば良かったという説明がなされていないのが残念でした。
ところどころに5要素(あるいはその一部)を取り上げて説明しているところはあるのですが、せっかくなのでフルセット当てはめて解決するということを示してもらえると更にわかりやすくなると思いました。例えば、
a. 事件の紹介
b. 事件の真の問題の解説
c. フルセット・コンプライアンスの方法論を利用した解決策の提示
という形式で統一して様々な事件を紹介してもらえると、「フルセット・コンプライアンス」自体を知るだけでなく、その活用法も理解できて良かったのではないかと思いました。
とはいえ、「コンプライアンス=法令遵守」という単純な理解しかなかった自分にとっては、新しい視点をもたらしてくれる本で参考になりました。
| コンプライアンス革命―コンプライアンス=法令遵守が招いた企業の危機 | |
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郷原 信郎
文芸社 2005-06 |


