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『日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由』

日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由』を読みました。

日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由

いろいろな議論がなされている日本のソフトウェア産業ですが、それがダメな理由を「会社」「エンジニア」「業界」「ユーザー」の4つの視点から考察し、エンジニアやユーザーへの提言をまとめたのがこの本です。著者と親しく、かつこの業界で長らく活躍されている方を集め、座談会を行い、そこから得られた意見を紹介しながら、考察をしていくという流れになっています。

実際に現場にいる人からの提言ということで、何らかの形でこの業界に関わったことがある人にとっては、納得のいくような議論がなされていました。言い換えれば、目新しい内容はあまりなかったという印象です。ただし、そのような内容でも、現場に長年携わってきた人たちの意見を通して確認することで、この業界が抱える問題の根深さに気づいたという感じでした。

考察している視点は「会社」「エンジニア」「業界」「ユーザー」という4つですが、提言はエンジニアとユーザーへ向けられているものだけだったので、それだけではなく、業界として、あるいは企業としてどうやって今後成長していくのかという観点からの提言も読みたかったですね。そういう観点を知るためには、日本に限らないソフトウェア企業についての考察として『ソフトウエア企業の競争戦略』が良いのでしょうか。(他にオススメがありましたら教えてください)

本書の内容とは少しずれるかもしれませんが、途中「エンジニアがつまらない会社にとどまる理由はない」というところで、以下のようなコメントがありました。

彼ら(独立したり、フリーでやっている人のこと)は腕に覚えがある人たちだから会社を出ても食べていけるのだろう、という見方もあるかもしれない。だがそれは逆で、「1人でも食えるように」と思ってやってきたから、現在の彼らがあるのだ。生まれつき覚えがあったわけではない。

この意識は、エンジニアに限らず、非常に重要だなと思いました。

親友の中村くんがblogで「貸し借り」という興味深いエントリーを書いていたんだけど、雇われの身である時は、給与明細を見て「この金はどこから来てるのか」というのを考え、日々の仕事では中村くんの言うところの貸し借り関係を常に意識しながら仕事をすることが大事なんじゃないかと思う。

・貸し借り - Wordyweb
http://wordyweb.jp/2008/06/post-4.html

これは、最終的に独立することを目標としていなくても、絶対に必要な視点だよなということを、ここ2, 3年ずっと考え続けてます。

日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由
久手堅 憲之

4774134066

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『マーケティング・リサーチの実践教科書』

  • 2008-06-16 (月)

マーケティング・リサーチの実践教科書』を読みました。

[実務入門] マーケティング・リサーチの実践教科書 (実務入門)

マーケティング・リサーチ関連では、以前にも『「市場調査」集中講座』も読みましたが、もう少し理解を深めるために手を取ったのがこれ。『マーケティング・インタビュー 問題解決のヒントを「聞き出す」技術』を書いた上野啓子さんのマーケティング・リサーチ教科書です。

タイトルに「実務入門」とある通り、基礎的なところから非常に丁寧に解説してくれている本です。基礎的なところから扱っているとはいえ、内容は犠牲になることはなく、マーケティング・リサーチの開始から分析までを、調査票のサンプルなども随所で紹介しながら解説してくれています。個人的には、モデレーターの役割を解説する部分で、簡単なケーススタディのように、状況に応じた対処の仕方を説明してある部分が特に参考になりました。

また、巻末には「歯科クリニックの利用における住民意識リサーチ」というケーススタディが載っていて、一通りのリサーチを追体験することができます。

既にマーケティング・リサーチに関わっている人には当たり前の内容ばかりかもしれませんが、そういう人でもどうやって新人に教えるかと悩んだ時などに役に立つかもしれません。

この分野は、ある程度基礎的な知識を頭に入れたら、あとは実際にやってみるしかないという感じがしますね。

[実務入門] マーケティング・リサーチの実践教科書 (実務入門)
上野 啓子

4820745050

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『新字源』

  • 2008-06-15 (日)

新字源』を買いました。

角川 新字源

最近はぼちぼちと『易経』を読み進めています(本当にぼちぼちですが)。

読み進めていると、どうしても漢字をきちんと理解したい欲求が出てくるので今回買ったのが『新字源』。他の漢和辞典とも迷いましたが、実家で使っていたということもあり、やはり今回もこれにしました。

この辞典の特徴として、「編者のことば」の冒頭では、

これまでの漢和字典は、漢文読解のためと、国語の中での漢字や漢語を正しく知り書くためとの、二つの用途があった。一冊の字典で両方に兼用できるのは便利であるが、字典はまず漢字の本来の意義と用法についての知識を提供することを任務とするはずだと私どもは考える。同じ漢字や漢語が漢文と国語のどちらにも現れるならば、その原義を知ってはじめて国語における用法も説明が可能となるからである。それはけっして国語を軽視するのでなく、かえって国語の中での漢字や漢語の役割を正当に位置づけるためである。この辞典は右の認識の上に編集の方針をたてた。それゆえ、漢字(親字)と熟語を選ぶにあたって、まず漢籍で広く用いられるものを採り、国語の用法を付記することにした。

と書かれていて、漢字を深く理解するのに役に立つ辞書として期待が持てます。

易の六十四卦で使われている漢字をひくと、その卦の形(このページに載っている表の一番左の列にある形)と簡単な説明も載っています。

今月から来月にかけては、一気にいくつかの仕事が入ってきてしまったので、なかなか時間が取りにくいですが、『新字源』をひきつつ、少しずつ易経の世界を堪能したいと思います。

角川 新字源
小川 環樹 西田 太一郎 赤塚 忠

4040108043

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『90日変革モデル』反応

  • 2008-06-13 (金)

90日変革モデル』が発売されて1ヶ月弱が経ちますが、ネット上でもいくつか反応を見かけるようになりました。反応していただいた方に感謝しつつ、いくつかご紹介します。

◆ビジネス書の杜: プログラムマネジメントのツボ
http://people.weblogs.jp/books/2008/05/post-0d2b.html

まずは、いつも有益な情報を提供して下さっている「ビジネス書の杜」で発売後、早々に取り上げていただきました。

訳者があとがきに書いているように、ここで展開されているモデルは、変革手法として一般的に述べらているものとそんなに大きな違いがあるわけではない。ただ、非常に評価できるのは90日間というスケジュールの設定をしている点も含めて、非常に具体的である点だ。どのような会議を開くか、その会議でどのようなアジェンダを議論するかまで含めて説明されている。その点で、非常に実践的な本である。

特に冒頭にも述べたように、90日を如何に合理的、かつ、効果的に活動するかは極めて重要であり、そこにこれだけ具体的な方法論を提供してくれる点で素晴らしい本だと思う。

このエントリーの冒頭でも書かれているように、好川さんのご経験から90日という期間の重要性をご指摘いただきました。好川さんが書いて下さっているように、具体的であるというのは本書の特徴的な点で、プロジェクトの進め方などが詳細に説明されていますので、ぜひ皆さんの日頃のお仕事の参考にしていただければと思います。

ちなみに、好川さんのプロジェクトマネジメントOS本舗の書籍プレゼントコーナーにて、『90日変革モデル』もプレゼントさせていただく予定ですので、ご興味がある方はご覧ください。

◆【MBA講座】ビジネスでチャンスを掴む秘訣とは? [まぐまぐ!]
http://archive.mag2.com/0000108765/20080603180000001.html

【MBA講座】ビジネスパーソンとして“自分ブランド”を確立するためには?」というメールマガジンの2008/06/03配信分でもご紹介頂きました。

特に“目から鱗”的な真新しい手法は述べられていませんが、変革の期間を30日の3フェーズに分け、それぞれのフェーズで企業が取り組むべき対応策をマニュアル的に解説していますので、短期間で変革を望む企業にとっては、この書籍に沿って革新プログラムを実行するだけで90日後にはこれまでとは違った企業に生まれ変わることが可能になっています。

自社は変わらなければ業界で生き残っていけないという危機感をお持ちのマネジメント層には必読の書と言えるのではないでしょうか。

というご紹介をいただき、必読度でも星5つをいただきました。

◆『90日変革モデル企業変革を加速させる3つのフェーズ』:知識をチカラに
http://tikara.bizpnet.com/keiei/003028.php

ビジネス書の書評・ビジネス誌・テレビ メルマガブログである「知識をチカラに!」でも取り上げていただきました。

こちらのblogでは、

これら4つの特徴が、成功した変革には備わっていたそうです。ひと言で言うと、徹底しているということでしょうか。本書だけではないですが、成功している人や企業を見ると、その共通点に徹底するというのがあるように感じています。

というように、本書の冒頭でも紹介されている「重要な成功要因」に着目されています。

◆ソニー:何故アップルに負けたのか・・・べナム・タブリージの見解 - 熟年の文化徒然雑記帳
http://blog.goo.ne.jp/harunakamura/e/7ed7de1ee846b691d9e5ad2a7b94eaf6

最後に「熟年の文化徒然雑記帳」で取り上げて頂いた内容のご紹介です。

こちらのblogでは、

経営組織変革論のべナム・タブリージ教授が、近著「90日変革モデル Rapid Transformation : a 90-day plan for fast and effective change 」で、激動のポストモダン社会(ポストインターネット社会)において、今日の企業が生き抜くために如何に変革して行くべきか、自ら編み出した現在の社会で利用できる効果的な変革の法則や実践方法を説いている。

その中で、成功ケースとして、スティーブ・ジョブズのアップルのトランスフォーメーションを詳述しているのだが、僅かだが、ソニーと対比している箇所があり、興味深いので、その論点について考えてみたい。

として、ソニーの経営について考察されています。

本書は、実際の企業の事例が豊富なのも特徴です。冒頭では、こちらで紹介されているアップルとソニーの他に、GMと日産やノーテル・ネットワークスとベイ・ネットワークスなどの比較をしていて、その後、3M、IBM、インテーザ銀行、スカンジナビア航空、GE、HP、P&G、ベリサイン、ベストバイ、ホームデポなどの多くの企業の事例が紹介されています。

また最終章では、ケーススタディとしてカーリー・フィオリーナのHPとマーク・ハードのHPを詳細に比較していますが、ここも読み応えがあると思います。

ご紹介下さった皆さん、ありがとうございます!

90日変革モデル 企業変革を加速させる3つのフェーズ (Harvard Business School Press) (Harvard Business School Press)

『国銅』

  • 2008-06-03 (火)

国銅〈上〉〈下〉』を読みました。

国銅〈上〉 (新潮文庫)

国銅〈下〉 (新潮文庫)

ちびちび読もうと思ってゆっくり読み進めていたけど、途中から止まらなくなり一気に読んでしまいました。久々に想像の世界の中でいろいろな思いを馳せた体験でした。

人は、日々様々な形で学び、同性・異性を問わず他人を愛し、時には人を助け、時には愛する人の死にも直面する。そんな起伏の激しい毎日であっても、力強く、淡々と生き抜いていく。そういう人間本来の強さが描かれているのがこの『国銅』という小説のような気がします。

国銅』は、天平時代に行われた東大寺の大仏建立を取り巻く話です。

主人公の国人(くにと)は、自身の故郷である周防国(現在の山口県の東南半)や奈良の都で、大仏建立の役に就いています。周防では銅を作り、都では大仏の鋳造などに携わります。仕事は決して楽なものではなく、また都への移動や周防への帰郷も命がけです。

そういう希望の少ないような環境で、主人公の国人は様々な人と出会い、そして学び続けることで、自分の世界を広げていきます。

話は国人を中心に進み、いつの間にか国人と一緒に悩んだり、悲しんだり、時には喜んでいる自分に気がつきます。そうしているうちにあっという間に話は終わりを迎えます。

良いなと思ったのは、話の最後でぷっつりと何かが終わるわけではないということ。色々なことがあり、環境も大きく変わりながらも、まだ若い国人の人生はこれからも続いていく。そういう余韻を残して話は終わりますが、その余韻がこの先も生きていく希望のように感じられます。

我々個人というのは、時代の大きなうねりの中では、ただひたすらその中に身を任せることでしか生きていけません。よく「現代は今までにないほどの大きな変化が起きている」というようなことを言いますが、これは現代に限ったことではなく、おそらくどんな時代でも、その時代に生きている人はそう感じていたのかもしれません。

それだけ時代の流れというのは大きなもので、その中にいるひとりの人間というのは、いかにも頼りなく、か弱い。それでも、そういう時代の中で、どれだけ良く生きるか、自分の人生を最大化するのかというのは、個人にかかっているものであり、「どうにかできる」ものなんでしょうね。

そういう自分の人生を切り開いていく逞しさやひたむきさを、ひしひしと感じた読書体験でした。

国銅〈上〉 (新潮文庫)
帚木 蓬生

410128816X

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『キャズム』

  • 2008-06-02 (月)

今さらですが、『キャズム』を読みました。

キャズム

キャズムとは『イノベーションの普及』のロジャーズが提唱するイノベーション普及論におけるアーリーアダプター市場とアーリーマジョリティ市場の間に存在する溝(キャズム)のことです。

ハイテク業界においては、アーリーアダプター市場の顧客(ビジョナリー)とアーリーマジョリティ市場の顧客(実利主義者)の性質の違いから、このような「キャズム」が存在し、単にアーリーアダプター市場での実績を引っさげていくだけでは、そのキャズムを超えることはできず、結果としてアーリーマジョリティ市場は攻略できないという考え方です。しかも、このアーリーマジョリティ市場を攻略できなければ、メインストリーム市場で受け入れられることはなく、製品として成功することはないと言われています。

原書の『Crossing the Chasm1の初版が出たのが1991年で、改訂版が出たのが1999年。訳書である本書が出たのが2002年。この考え方が世に出てから随分と時間が経っていて、いろいろなところでキャズムの考え方が紹介されていたり、その考え方に基づいた分析がなされているため、自分自身もキャズムの考え方を断片的には理解していましたが、改めて一冊読んでより深く理解ができました。

本書の中でも第4章から第6章までは、キャズムを超えるための具体的な考え方が書かれており、今、自分がいくつか考えていることにも応用できるようなヒントを得ました。特に、数値的な分析ではなく情報に基づく直観を利用して意思決定を行うという部分は、もちろん実践は簡単ではないでしょうが、大きなヒントになるものでした。

続編である『ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション』も買ったので、続けて読んでみようと思います。

ちなみに、キャズム理論について手っ取り早く理解したいという場合は、以下の記事がオススメです。

・キャズム - @IT情報マネジメント用語事典
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/chasm.html

・ブログはキャズム(ハイテクの落とし穴)を越えてブレイクするのか?:Goodpic
http://www.goodpic.com/mt/archives/000227.html

・イノベーター理論(1) | マーケティング・コンセプト | ミツエーリンクス
http://www.mitsue.co.jp/case/concept/02.html

キャズム
川又 政治

4798101524

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  1. リンクは改訂版 []

『90日変革モデル』

  • 2008-05-22 (木)

2冊目の訳書がついに店頭に並び始めました!

実は既にプロフィールの部分には載せていたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、新しい訳書は『90日変革モデル 企業変革を加速させる3つのフェーズ』というタイトルです。

90日変革モデル 企業変革を加速させる3つのフェーズ (Harvard Business School Press) (Harvard Business School Press)

Amazonの内容紹介をそのまんま引っ張ってくると、

Google CEOエリック・シュミット氏絶賛!!

グローバル化、IT化、競争激化、リエンジニアリングの失敗– 企業はどのようにして変わればよいのか?現代のビジネス環境に最適な「90日変革モデル」とは?

1990年代、インターネットと急速なグローバル化の到来によって、情報を容易に入手できるようになり、たくさんの新たな経営課題への取り組みや、組織風土や業務プロセスの再考に迫られた。しかし、当時もてはやされていたリエンジニアリングの取り組みのうち、約70パーセントが着手してから5年以内に失敗していることがわかった。イノベーションが起こる周期は短期化し、飛躍的な進歩が起きる頻度も増加したため、この新たなペースの速い社会では、断片的で段階的なモデルはもはや効果的ではなくなったのだ。したがって、本書では、リエンジニアリングへの批判や、その非効率性を受け、現代ビジネスで利用できる効果的な変革の実践方法である「90日変革モデル」というフレームワークを提示する。

これは、30日ごとに3つのフェーズに分け、各段階で問題を突き止め、実行計画を立案するもので、10年以上にわたる調査研究に基づいた方法論を用いている。過去20年間に変革を経た500社以上(3M、IBM、GE、日産、アップル、ベリサイン、ヒューレット・パッカードなど)のサンプルから、56のケースについて分析し、業界の経営者層へのインタビュー、ケーススタディ、記録文書の調査を通して、成功要因だけでなく、成功した企業が用いた特定の実践方法やツールを突き止めた結果から編み出された。

汎用性があり、外部のコンサルタントや特定のシステム導入等をせずに実行でき、特定の国籍にとどまらない事例であることから、どの企業にも適用できる実効性を伴った有益なモデルである。

という本です。

前作の『プロダクトマネジャーの教科書』も仕事が大変な時期とぶつかってしまい苦労をした(ご迷惑をおかけした)記憶がありますが、今回も仕事やそれ以外の点でバタバタした作業になってしまいましたが、何とか出版することができました。

作業中、いろいろとお気遣いを頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

紀伊國屋では既に並んでいるようなのですが、ネットで調べると丸善やジュンク堂などはまだ置いていないようです。それ以外の書店にも近いうちに並び始めると思いますので、どうぞお手にとってご覧下さい(できれば買ってください)。

『新規事業の立ち上げ方』

  • 2008-05-13 (火)

新規事業の立ち上げ方 社内リソース調査から事業計画書作成まで』を読みました。

新規事業の立ち上げ方 社内リソース調査から事業計画書作成まで [実務入門] (実務入門)

以前にはてなでメモをしていた『新規事業の立ち上げ方 社内リソース調査から事業計画書作成まで』を読みました。

本書では、社内で新規事業を立ち上げることを想定して、チーム作りから最終的な事業化までのプロセスを丁寧に解説しています。

この手の他の本と違うのは、著者自身が「はじめに」で書いているように、事業立ち上げの「スキル」だけではなくて「マインド」にも焦点を当てている点です。「マインド」といっても、単に「やる気を持って」というような精神論ではなく、1章で開発チームのメンバー選定で考慮すべき点やミッションステートメントの重要性などを、具体的に示してくれています。

2章からは事業計画の作成について解説していますが、これがかなり具体的で参考になります。

例えば、事業計画を作成するにあたっての市場調査の必要性はどの本でも説いていると思いますし、本によっては定量調査と定性調査の違いを簡単に説明しているものもあるかもしれません。本書では、さらに一歩踏み込んで、新規事業の計画を立てるにあたって、どちらを先に行えば良いかとその理由も説明してくれています。

他にもSWOT分析やビジネスモデル、事業マトリクスなど、どの本でも目にするようなものでも、著者なりの視点で一歩踏み込んだ解説をしてくれています。著者自身、事業を立ち上げたり、新規事業のコンサルティングの経験があるそうなので、その中で得た経験を本書に盛り込んでいらっしゃるのだと思います。

巻末には事業計画のフォーマットがついていて、自分たちで作る際の参考になりそうです。また、参考文献も充実しています。紹介されている本は、ありきたりの「参考」文献ではなく、比較的最近のものが多く、かつ書名からだけでは新規事業の参考になるとは想像がつきにくいものまで紹介されています。

個人的には、ところどころで紹介されているコラムも興味深く読みました。著者の言うところの「マインド」を高めるようなものが多く、読んでいて刺激を受けました。

著者の末吉さんのblogもどうぞ。

・末吉孝生日記
http://takaosue.cocolog-nifty.com/blog/

新規事業の立ち上げ方 社内リソース調査から事業計画書作成まで [実務入門] (実務入門)
末吉 孝生

4820744720

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『リストのチカラ』

  • 2008-05-12 (月)

リストのチカラ [仕事と人生のレベルを劇的に上げる技術]』を読みました。

リストのチカラ [仕事と人生のレベルを劇的に上げる技術]

本自体は以前にも紹介しましたが、やっと読む時間が取れたので、改めてご紹介します。本書の第1部では、*ListFreakを運営している堀内さんが、*ListFreakから厳選した珠玉のリストを紹介し、後半の第2部ではさまざまな観点からリストの使い方や作り方などを紹介しています。

自分も*ListFreakに登録していて、皆さんが登録していたリストは見ていたつもりですが、こうやって改めて本の形でそれらのリストを見ると新鮮です。第1部で、個人的に気に入ったリストは、「よい人間関係を築くための10カ条」と「トヨタの7つの習慣」ですね。

せっかくなので、blog上でご紹介。(単に一度リストの転載を使ってみたかったというのもある)

  1. 人は、不安なものである……人に自信を与えなさい。
  2. 人は、特別だと感じたがるものである……誠意を持って人をほめなさい。
  3. 人は、より良い明日を求めるものである……人に希望を示しなさい。
  4. 人は、理解してもらいたがるものである……人の話を聞いてあげなさい。
  5. 人は、方向性を失いがちなものである……人を導いてあげなさい。
  6. 人は、利己的なものである……まず人のニーズに応えてあげなさい。
  7. 人は、感情的に落ち込みやすいものである……人を励ましてあげなさい。
  8. 人は、成功したがるものである……成功を勝ちとる手助けしてあげなさい。
  9. 人は、意義のある人間関係を欲するものである……コミュニティを提供してあげなさい。
  10. 人は、自分もこうなりたいと思う理想の人物を求めるものである……手本になってあげなさい。

よい人間関係を築くための10カ条 - *ListFreak

よい人間関係を築くための10カ条」は、以前に読んだ『熱狂する社員』(これは堀内さんが運営しているNextBookでディスカッションをした)や、最近いろいろな場面でその必要性を痛感している承認欲求なんかの関連で、納得したリスト。

  1. 「ケタちがい」の発想から入る―「一割削減」でなく「ゼロを一つ取る」ことでムダを見つける
  2. 「わが社」を主語にしない―「プロの目」でなく「お客の目」でモノをつくる
  3. 「なぜ」を五回繰り返す―「原因」でなく「真因」まで改善する
  4. 成功体験をリセットする―「他人の成功」より「自分の失敗」から知恵を出す
  5. 成功より成長を目ざす―「人を変える」より「システムを変える」ことで人をつくる
  6. 忙しさを恥じる―「動きの速さ」より「着手の早さ」で競争力をつける
  7. 「みんなの力」を心から信じる―「非凡な一人」でなく「平凡な一〇〇人」で堅実経営を実現する

トヨタの7つの習慣 - *ListFreak

トヨタの7つの習慣」は、なんとなく知ってるような内容だけど、「これを自分自身の仕事に活かすとしたら?」という視点で見てみると新鮮だなと思いました。

リストの紹介が長くなってしまいましたが、この本のユニークなところは第2部のリストの使い方や作り方を解説している点。特にリストの作り方の部分は参考になります。

できあがったリストを見ると何でもなく見えるものですが、実際に作るとなると、リストとする対象をきちんと理解して、それを短い言葉でスッキリと説明するというプロセスの難しさに気づきます。このようなプロセスは、日々の仕事でプレゼン資料を作ったり、会議をまとめた簡単なメモを作る時などにも応用できるものですが、なかなか簡単に身につくものではありません。

本書では、そのプロセスをケーススタディのような形式で紹介してくれていて、頭の中に漠然としたイメージがある状態から、リスト化するまでのプロセスを「見える化」してくれています。作成途中で逡巡しているプロセスも紹介してくれているのも参考になります。

もちろん、リストを作るというのは、いわば技能なので、単に読んだだけで作れるようになるのではなく、そこから自分で作ってみる必要がありますが、ゼロから作るよりも、このような指針を頭に入れてから作る方が遙かに楽なはずです。

リストに興味がある方、「リスト思考」に興味がある方にオススメの一冊です。

リストのチカラ [仕事と人生のレベルを劇的に上げる技術]
堀内 浩二

4777108805

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『「ほめ言葉」最強の一発変換!』

  • 2008-05-11 (日)

「ほめ言葉」最強の一発変換!』を読みました。

「ほめ言葉」最強の一発変換! (青春新書PLAY BOOKS (P-886))

最近、「ほめ言葉」に関する本が増えてきているような気がして、その手の本を褒めているメールマガジンやblogも見かけるようになったので、手頃そうなものに一冊目を通してみました。

本書がユニークなのは、外国語の表現集のように見開きで、左ページにほめ言葉変換前フレーズ、右ページに変換後のフレーズが載っている。例えば、左ページに載っている「ありがとう」をほめ言葉に変換すると「忙しいのに、ありがとう」と書いてあって、その下に数行のコメントが書いてあるという形式。

ざーっと目を通して、必ずしもすべての言葉に納得できたわけではないし、単に変換前・変換後のフレーズを羅列するのではなくて、「ほめ言葉の一般法則」みたいなものについてまとめてくれれば良いのにとも思った。

この本を読んで、その上で日頃自分が気をつけていることを加味すると、「良い」ほめ言葉に共通しているのは、

  • 具体的であること
  • 自分に向けられていることが明確であること

の2点を満たしているものなんじゃないかと思う。

例えば、この本に載っていた例を使うと

【変換前】 「説明がうまくなったね」

【変換後】 「ずいぶん説明がうまくなったね。事例を使っていてとてもわかりやすいよ」

というのがある。これは、まずとっても具体的だし、2文目の「事例を…」のくだりは、他でもない自分の説明を見て話してくれていることが明確だ。やはり、誰だって自分のことをきちんと見てくれているとわかることは、とても嬉しいものだ。

こういう本を、外国語の表現集よろしく暗記しようと思うのはお門違いのような気もするが、こういう本を見て、「ほめる」という視点、人を見る視点というのを考えるきっかけにするのが良いんじゃないかと思う。

「ほめ言葉」最強の一発変換! (青春新書PLAY BOOKS (P-886))
櫻井 弘

4413018869

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