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『仕事で「一皮むける」』

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『仕事で「一皮むける」』(金井壽宏著/光文社)を読みました。

気づいてみると本の紹介は久々になってしまった。最近は、一般の本よりは仕事に関係のある本、そして仕事関連の資料を読み漁っている。関係のありそうな資料は片っ端から印刷し、それらをガンガン読んでいくという毎日。ここ1週間ほどで既にキングファイル1冊分ほどの分量になってしまった。

そんな中、息抜きと言っては失礼だが、ちょっと一休みということで手に取ったのがこの本。

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この本は著者が行ったプロジェクト「豊かなキャリア形成へのメッセージ ~経営幹部へのインタビュー調査を踏まえて~」でのインタビューを元にした本。このプロジェクトの趣旨等は、関西経済連合会のサイトにある以下のPDFファイルで知ることができる。

・人材育成委員会報告書
http://www.kankeiren.or.jp/work/pdf/1A0A1077616811.pdf

本書のタイトルにもなっている「一皮むける」ということについては、以下の部分の説明がわかりやすい。

わたしは、ザリガニの脱皮やチョウの完全変態に相当するものが、人間にもあると思う。それが節目をくぐるたびの「一皮むけた経験」であり、その経験を境にひと回り大きな人間、より自分らしいキャリアを磨く人間に変われる。

チョウの完全変態は一度きりの外面的な変化だが、人間の「一皮むけた経験」は内面的な変化であり、うまくキャリアを歩めば繰り返し経験できる。目にはさやかに見えないけれど、「一皮むけた経験」の繰り返しにより、さらにひと回り大きいキャリアが獲得され、いくつになっても干上がらない人間になれる。

とのこと。一皮むけるという流れから最初の章で説明されている、エンプロイアビリティとエンプロイメンタビリティという考え方はとても参考になった

続く章からは、著者らが以前に行ったプロジェクトで得られた、様々な人の「一皮むけた」実体験を、入社初期段階の配属・異動、初めての管理職、降格・左遷を含む困難な環境など、いくつかのカテゴリーに分けて紹介している。

率直な読後感としては、若干物足りなさが残った。

色々な人の経験談を読めるのは良いのだが、多くの人の経験談を紹介しているため、一人当たりの分量がちょっと少ないように思える。もう少し突っ込んで話を聞きたいと思う人も何人かいたので、そういう人の時は特に欲求不満をおぼえた。また、それぞれの人の経験談に続く著者のコメントが、とても優等生っぽいというか、クールにまとめられているので、著者のコメントが入るたびに、経験談から伝わってくる熱さがクールダウンしてしまうようにも感じた。

ある本を読んで不満だと感じるにはいくつかのパターンがあって、今回の場合は、ひとえに今の自分のニーズとこの本の目的が合致しなかったというだけだろう。実際、Amazonの書評を見るとかなり評価は高いし、視点としても新しい、とてもよくできた本だと思う。

ただ、今、いろいろと試行錯誤をしながら仕事に取り組んでいる自分としては、きれいにまとめてしまうのではなく、それぞれの人が経験した生々しい体験をありのままに聞きたかったのだ。そういうニーズを持っている際に、このような本に不満を感じるのは当然で、明らかに自分の選書ミスだったのだろう。

自分のキャリアを冷静に見つめてみたい人や、多くの人の一皮むけた経験に触れてみたい人、キャリアに対する基本的な考え方というものを知りたいと思っている人には最適の本だと思う。いつか自分も、この本の良さを認識できるような時期が来るだろうから、その時はぜひ再読したいと思っている一冊である。

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