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『会社人間が会社をつぶす』

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会社人間が会社をつぶす』(パク ジョアン・スックチャ著/朝日選書)を読みました。

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ワーク・ライフ・バランス」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?恥ずかしながら、自分はこの本を読むまでは知らなかった。本の冒頭にもあるように、Googleなどで検索をすると膨大なヒット数がある。英語で検索をするともっと多い。

ワーク・ライフ・バランスとは、読んで字のごとく、仕事と生活を両立させることを言う。その考え方自体は驚くことでもないが、これをビジネス戦略として本格的に採用する企業が増えてきている。最近の例では日本IBMの「短時間勤務制度」がある。

・日本IBM週休3日制で変わる働き方:Tech総研
http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03100.jsp?p=lw1031&__m=10868705378658784602664757272892

この記事によると、日本IBMでは今のところ比較的うまく機能しているようだ。しかし、全てがスムーズに進んでいるかというとそうではない。仕事を辞めるわけではなく、仕事をする時間を大幅に減らすわけなので気になるのは、仕事上の評価であったり、給料の問題だ。実際に記事中にも次のようにある。

エンジニアの新たな働き方として定着するかどうかは現時点では不透明と言わざるを得ない。最大のネックは、「評価」だ。短時間勤務社員の仕事の質をどう評価するか明確な基準が示されない限り、ともするとエンジニアとしてのキャリアの遅れを招きかねないという不安も大きい。いずれにせよ、仕事かプライベートか、エンジニア自らがそのバランスを問い直し、見極めることが必要になっていくはずだ。

本書でも指摘されているが、単に「働く時間を減らしましょう」だけでバランスが取れるものではない。個人の日頃の生活とバランスを取るためには、今までとは違うやり方で仕事をやることになるかもしれない。その場合、上司や自分を評価する人、あるいは会社がその状況をどれだけ理解してくれ、保証してくれるかというのが問題になってくる。

本書では、仕事と人生を両立するための世界中の企業の取り組みが豊富に紹介されている。日本でも良く知られているフレックス・ワークや保育サポートの他、養子縁組サポートやEAPと呼ばれる社員擁護プログラム、ヘルス&ウェルネス、フレキシブル保険制度など、仕事と私生活のバランスを取るための様々な取り組みが紹介されている。

しかし、これらの例を知るにつけ、会社の協力なしにはバランスを取ることが難しいということがわかってくる。バランスを取るための制度が作られ、その普及のために会社全体が積極的に取り組むような姿勢がなければ、真のワーク・ライフ・バランスが得られないのではないだろうか…。

そう諦めるのはまだ早い。確かに会社の協力が絶対に必要な取り組みではある。しかし、そもそもあなたは自分自身の真の「バランスの取れた状態」を理解しているだろうか?会社に「バランス、バランス!」と訴える前に、自分が在りたい状態がどのようなものか、まずは考えてみなくてはならない。

そのために有用なのが本書の最後の章にある「自己把握と自己実現のための演習」である。自分はこの演習部分を著者のパクさん自身が行ったセミナーでやってみた。(起-動線で紹介されていたので参加してみました)

・ライフ・バランス・セミナー
http://www.ki-dousen.net/modules/kdoff/index.php?op=showevent&id=139

詳しくは本書の最後の章を見て頂くのが一番良いとは思いますが、気付きが多いセミナーでした。「自分は何をやりたいんだ?」みたいなことは常に考えていて、なんとなく頭の中にはありますが、それをペアワークやディスカッション形式で確認していくことで、曖昧な部分や現実とのギャップをはっきり認識することができます。同じような年代の人の話を聞くのも大いに刺激になりました。

やりたいことをやるために周りを変えていくのも、今の生活をより実り多いものにするのも、全部自分次第。仕事と生活のバランスを取るために、自分がやりたいことをやるために、皆さんが今すぐできることは何でしょうか?

最後に、例によってリンクです。今回はワーク・ライフ・バランス関連のリンクを。

・ワーク・ライフバランス
http://www.worklifebalance.co.jp/index.html
→本書の著者でもあるパクさんの会社。ワークライフバランスに関する基本情報はここから集めてみましょう。研究会等へのリンクもあります。

・ライフバランスマネジメント
http://www.lifebalance.co.jp/index.html

・プレジデントビジョン:株式会社ライフバランスマネジメント代表取締役社長 渡部卓氏
http://www.president-vision.com/back/mail_125.html
MTOPなどのユニークなプログラムを提供している会社です。プレジデントビジョンに社長のインタビューもありました。

・メモログ:ワーク・ライフ・バランスと男性の役割
http://memolog.jp/archives/000009.html
→仕事と生活のバランスというと、つい女性のことだけを考えてしまう人もいるかもしれませんが、家庭における男性の役割もバランスを取るためには大切な要素。

しかし、このメモログというサイト、今まで知らなかったのが惜しいなぁ。

・米国におけるワーク・ライフ・バランスへの取組について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0108-5d.html

・Poco a Poco 「第1回 ワークライフバランスって?」
http://www.pangea.jp/c-press/poco/poco01.html

・9時から5時まで:英国人の仕事とプライベート・ライフ – Trend UK – ブリティッシュ・カウンシル – 日本
http://www1.britishcouncil.org/jp/japan/japan-trenduk/japan-trenduk-contents/japan-trenduk-archive-working/japan-trenduk-archive-working9to5.htm

・LWAC 仕事の現場インタビュー1 パク・ジョアン・スックチャ
http://lwac.jp/wl_interview_001.htm
→ワーク・ライフ・バランスに関する調査や考察など。最後の記事は、本書の著者であるパクさんのインタビューが読めます。

One thought on “『会社人間が会社をつぶす』

  1. あらい さん,

    てんちょ です。

    あらい さんに触発されて読みました。タイトルに非常に惹かれました。というのも私は社会人になってから(まだ 5 年目ですが)平均の労働時間は 13,14 時間くらいでした(今でも似たりよったりだったりしますが)。ただ最近は本当に長時間労働は会社をダメにすると思っています。本に書いているような弊害はもちろん起こります。
    ではなぜ日本では長時間労働が多いかと考えてみると,私は「管理者が管理者としての責務を遂行していないから」だと思います。これは私が平社員だからそういっているわけではありません。本来管理されるべき人が管理されていないから余計な仕事をして,長時間労働になると思っています。どうでしょうか?

    そういう意味でも「会社人間は会社をつぶす」と思っています。

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