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『創造の方法学』

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創造の方法学』を読みました。

創造の方法学 創造の方法学
高根 正昭

講談社 1979-09
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以前に『戦略とイノベーション』という論文集を読んで、経営学の論文や研究方法に興味を持った。そこで、その手の本を一気に集めて(積ん読だったものも含む)読んでみようと思い立ち、最初の一冊として選んだのがこの『創造の方法学』だ。

この本では、アメリカの大学院で研究や指導を行ってきた筆者の経験を踏まえ、社会科学(特に筆者の専門である社会学)研究の方法論が紹介されている。

方法論とは、筆者によると「既成の理論や調査の結果を追い回すのではなく、自ら行う知的創造のための、基本的な手続の議論」とのこと。方法論に対して、より筆者の想いが強く表れている文が最後の方に載っていたので紹介すると、

考えてみれば今日までの日本の社会科学には、あまりにも外国の文献の翻訳や外国の研究の敷き写しが多かった。それはまるで自分で文章を書かずに、外国の文献を筆写する行為に似ていたのではないか。われわれはこの辺で敷き写しではない、自分自身の文章を書き始めなければならない。そして方法論はこのような自分自身の文章を書くための、必要最低限のルールなのではないか。科学における知的創造とは結局、自由に抽象と経験の間の循環を行う知的活動のことなのであろう。そして知的創造のための方法とは、科学の基本原理に合致した広い意味での調査と研究を行うためのルールに他ならないのである。

こういう想いを持って書かれたのが本書なのだ。

本文では、社会科学に関する研究を行うにあたって理解しておかなければいけない基本的な考え方が紹介されている。例えば「記述」と「説明」の区別であったり、因果法則に関する基本的な原則であったり、その他各方法論の比較を行っている。

1979年に出版された本とあって、数量的研究の紹介としてパンチカードを使った研究方法などが紹介されている部分もあるにはあるが、基本的な考え方は今読んでも十分学ぶことが多い。

当たり前といえば当たり前という部分もあるが、改めて学ぶことによって復習にもなるし、そもそも社会を研究するということはどういうことなのかというのを、強く考えさせられる内容になっている。また著者自身の経験や社会学の研究に関する紹介も豊富なので、読み物としても興味深く読むことができる本になっている。

関係ないけど、自分は講談社新書はこの時代の表紙の方が好きだなぁ。今のシンプルで色んな色の表紙もキライではないけど、昔の表紙の方が本としての良さを感じる。

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