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『問題解決のための高速思考ツール』

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問題解決のための高速思考ツール』を読みました。

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本書はポスト・イットを使った問題解決のための本です。著者はヒューレット・パッカードでコンサルタントを務めた後、Syqueという会社を経営しています。

彼曰く、問題とは「いつもたいてい何らかの意味で互いに関係しているそれぞれ独立した情報断片から構成されている」もの。この本では、彼の言う「情報断片」をポスト・イットにすべて書き出し、それらをいくつかのルールに従って並べ替えることによって、問題の本質を見抜き、それらを解決する方法を紹介しています。

実際読んでみると、たしかにシンプルな方法で使いやすそうです。特に複数の人が集まって、何かの問題について話し合うときには有効な方法かもしれません。問題をリストアップする部分はあまり深く議論されていないので、たとえば以前に紹介した『すごい会議』のやり方と組み合わせたりすると、うまく進めていくことができそうな気がしました。

ただし、適用範囲としては、どんな問題にも利用できるというよりは、「何となく問題だと思ってはいるんだけど、いまいち正体がわかってない問題」に向いている手法かなと思いました。しかも、この本自体ではポスト・イットを使った方法論の説明はありますが、いわゆる問題解決についての議論はほとんど出てこないので、少なくともファシリテーター役の人は、基本的な問題解決能力があることが必須でしょう。

惜しいのは、実例に乏しいこと。実際、ケーススタディのような章もありますが、あまりにきれいに進みすぎている(手法の説明の方がメインなので仕方がないにしても)ので、この方法論をどれだけ活かせるかは、やはりファシリテーターに大きく依存すると思いました。

薄い本で、図も豊富なので、とても読みやすい本です。問題解決のひとつの方法論として知っておいて損はない内容だと思います。ただし、このままのやり方はしていないにしても、経験的に似たようなやり方をしている人は多いと思うので(自分の経験では論文を書いた人なら何となくやっているのではないかと思います)、一度内容に目を通してから必要な本か確認してみると良いかもしれません。

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