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『大衆化するIT消費』

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大衆化するIT消費』を読みました。

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本書では、ブロードバンドの発展に伴って変わってきた日本人の消費スタイルを分析しています。

はじめに、ブロードバンドの発展によって変わってきた日本人の消費スタイルを10にわけて、それぞれの消費スタイルについて詳説しています。その10の消費スタイルは、NRIの以下のプレスリリースから引用してみると、

・IT活用から新たに生まれた10の消費スタイルを分類~ブロードバンドの普及により「IT消費」が大衆化~
http://www.nri.co.jp/news/2007/071024.html

(1) マルチウィンドウ消費: パソコン、テレビ、携帯など、さまざまな機器を駆使して情報の認知→探索→購入を同時に行うスタイル。
(2) アラート消費: ネットオークションなどで、買い手側があらかじめ条件を提示し、合致する商品が出たらアラート(お知らせ)が鳴るようにIT機能を設定するスタイル。
(3) テイスティング消費: インターネット上で情報を収集・比較した後で、実際にサンプルなどをお試し利用した上で、購入を決定するスタイル。
(4) オーダーメード消費: インターネットを利用してオーダーメード商品を購入するスタイル。
(5) ロングテール消費: ネットショッピングによって、個々の販売量が極めて少ないニッチな商品を購入するスタイル。
(6) スパイク消費: インターネット上での商品情報流通によって、消費者の購買行動が急激に増加し、さらに急激に落ち込むようなスタイル。株価が急伸後に急落する現象(スパイク)から名づけた。
(7) スカイロケット消費: 発売前に口コミサイトなどで取り上げられた影響で、消費者の購買意欲がかきたてられた結果、発売直後から急速に販売量が増えるスタイル。
(8) 一点豪華消費: インターネットネットでこだわりの分野の情報を収集し、ネットショッピングでその分野の一点にだけ、積極的にお金を使っていくスタイル。
(9) 使いまわし消費: インターネットを利用して、リサイクル品を購入・販売するスタイル。
(10) 自己責任消費: インターネット上などで流れる多くの情報の中から、自分で判断しようとするスタイル。

このようなスタイルがあるようです。ものによっては、無理矢理ひとつのスタイルにした感じも否めませんが、特に前半部分は参考になるものが多くありました。その後、なぜIT消費は大衆化したのか、そしてその大衆化したIT消費者をどのように取り込んでいくのが良いのかについて論じています。

大衆化したIT消費者を取り込んでいく方法の部分で、「顧客との接点を増やすこと」と「ITを活用してデータを収集する(マーケティングダッシュボードを利用する)こと」が取り上げられていましたが、この2つの観点のケーススタディとして、少し前の日経ビジネスに載っていた日本コカ・コーラの事例が参考になるでしょう。

・「ネット広告万能」の死角 (ネットのあした):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071207/142645/

このコカ・コーラの事例は「ネット広告万能の死角」とありますが、日本コカ・コーラが16~24歳の若年層を取り込むためのキャンペーンを行ったところ、費用対効果では交通広告がもっとも効果があったようです。(ちなみに、今回のキャンペーンのコンサルティングを担当したのが米国のマーケティング・エボリューションという会社だそうです)

顧客接点を増やすために、データを収集して分析してキャンペーンを行ったところ、交通広告や屋外広告の効果が明らかになってきたということですね。ネット広告やテレビCM、雑誌広告などと比べて、交通広告や屋外広告は、それが目に入ってくるタイミングで他にやることがない場合が多いので、他の媒体に比べて意識に入り込んできやすいのかもしれません。

このように、思いこみだけで戦略を考えたり、キャンペーンを行うことは危険ですが、現状を整理して理解する参考にするためには、本書のような資料を読んでおいて損はないかと思います。

なお、上記で挙げた10の消費スタイルなどは詳しく紹介されていませんが、本書の内容を要約したような内容がPDFで公開されていますので、概要だけを知りたいという方は、まずはこちらを参照してみるのも良いかもしれません。

・大衆化する「IT消費」 (PDFファイル)
http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2007/pdf/cs20070203.pdf

大衆化するIT消費
野村総合研究所消費者マーケティング研究チ

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