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『翻訳入門』

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翻訳入門―翻訳家になるための考え方と実践』を読みました。

本

昼休みにふらっと近くの本屋に出かけ、たまたま見つけたのがこの本。出版社も出版社だし(失礼)あまり期待せずに買ってみたものの、Amazonの書評ではそこそこの評価。実際読んでみるとなかなか良い本でした。

一言で言えば、「とてもまっとうで現実的な翻訳入門本」という感じです。あまり褒め言葉になっていないかもしれませんが、翻訳入門本といえば「頑張れば、あなたも絶対に翻訳者になれます!」という励ましタイプのものか、「翻訳なんてそう甘いもんじゃないんだっ!安易に考えるな!」というお叱りタイプのものが多いような気がしていますが、これはどちらでもなく、素直に翻訳の基本的な考え方を伝えている本のように感じました。

最初の導入部は若干くどくて読むスピードもなかなか乗りませんが、「翻訳の基本は「日本人ならどう言うか、どう書くか」」という辺りから、一気に面白味が増してきます。

直訳でもなく、意訳でもない、翻訳の性質を日本語の視点からきっちり説明してくれています。「翻訳をやるには日本語の力も大切だ」というある意味聞き飽きた助言ではなく、翻訳をするにあたって、どのように日本語を考えていくのかをとても具体的に示しています。特に、辞書に載っているのは意味ではなく訳語だという話や、訳語から訳語を導くなという話は、頷けるところです。

後半は実践編になっていて、単語1語から15語の文章までを取り上げ翻訳練習を体験します。「単語1語で翻訳練習なんてできるの?」と思ってしまうかもしれませんが、open, close, discussion, Englishなど、著者の言う日本語の選び方を思い出しながら取り組むと面白い練習になります。

先ほども書いたように前半と、あとは最後の部分も若干冗長な感じがありますが、中身はしっかりしています。翻訳に興味がない人も、外国語と母語をつなぐ考え方として一読してみると面白いかもしれません。翻訳に興味がある人は、この本の続編のような位置づけで『翻訳の原点』という本も出ているので、こちらも読んでみると良いでしょう。自分も買ってみました。

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