次のジョブズはどこに? – Finding the Next Steve Jobs

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今年の10月から翔泳社のコーナー:イノベーターの本棚の中で「イノベーションに効く洋書」という連載を持たせてもらっています。

これまで3回分の記事を書かせてもらいました。

おかげでイノベーション関連の洋書にたくさん目を通す(さすがにすべてをきっちり読むまではできていませんが)機会になりました。

そして年末のこのタイミングで第4回目の記事が掲載となりました。

ジョブズがアドバイスを求めた男の「クリエイティビティにあふれる社員を雇い育てる52のルール」(1/3):企業のIT・経営・ビジネスをつなぐ情報サイト EnterpriseZine (EZ)

今回取り上げたのは”Finding the Next Steve Jobs: How to Find, Hire, Keep and Nurture Creative Talent“です。

Nolan Bushnellといえばビデオゲーム会社Atariの創業者。Atari以外にもいくつもの先進的な企業を立ち上げ、スティーブ・ジョブズの良き相談相手でもあった彼が、ジョブズのようなクリエイティブな人材を雇い、育て、活躍してもらう方法について、自身の体験談を交えてまとめた本が、この”Finding the Next Steve Jobs: How to Find, Hire, Keep and Nurture Creative Talent“。

記事にも書いているように、52の「ポン」(「ポン」って何?という人は記事をどうぞ)をまとめている本で、ひとつひとつの「ポン」はどれも短く、読みやすいので、年末年始のお供にどうぞ!

この本に関するNolan Bushnellの動画もいくつか出回っていますね。例えば、こんなのも。

Finding the Next Steve Jobs: How to Find, Hire, Keep and Nurture Creative Talent
Nolan Bushnell Gene Stone
0988879514

想像力に安らぎを – 『5 (ファイブ) 5年後、あなたはどこにいるのだろう?』

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時間が足りないとは言ってはいけない。
きみの一日に与えられている時間は、
ヘレン・ケラー、ルイ・パスツール、ミケランジェロ、
マザー・テレサ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、
トマス・ジェファーソン、アルベルト・アインシュタインの
一日に与えられていた時間と、まったく同じなのだから。
— H・ジャクソン・ブラウンJr.(作家)

あっという間に年末となりました。

クリスマスを境にゆっくり過ごしている人、残りの仕事を年内に終わらせようとラストスパートをかけている人、貴重な年末年始の休みをどのように過ごすか思案している人。

どんな人にも時間は同じように与えられています。そう、ここに出ている蒼々たる面々と同じように。

そんな誰にも平等に与えられている時間。特に今後5年、週に直すと260週、日では1825日、時間では262万8000分。

この時間を使って何をするか、考えるきっかけを与えてくれるのが、最近出た『5 (ファイブ) 5年後、あなたはどこにいるのだろう?』という本です。

手に取ると「本」というより「絵本」という感じの一冊。さまざまな翻訳書を世に送り出している海と月社から出ています。

「5年後、あなたはどこにいるのだろう?」という副題がついたこの本は、その題のとおり、今後5年間を考えるためのヒントになる質問と名言が詰まった薄い本です。

ところどころ、これまである自己啓発書に載っているような質問も載っていますが、美しいデザインのページに、古今東西の名言とともに紹介されているので、5年後に向けて必死に頭を使うというよりは、楽しい気分で未来を想像するような本になっています。

日頃、シナリオプランニングと関連させて、未来を見据えるだとか、ドライビング・フォースを洗い出すだとか、軸をどう取るかだとか、小難しいようなことを言っていますが、大切なのは未来に対する豊かな想像力。

希望にあふれた素晴らしい未来も、想定外の出来事に満ちた起きてほしくはない未来も、あなたの豊かな想像力を通して想像されるもの。

忙しい年末年始かもしれませんが、疲れた体だけではなく、あなたの想像力にも普段とは違った、新たな視点をふりかけてみても良いかもしれませんね。

人生で次に起きることを決めるのは、わたし。
それを実現するための戦略を立てるのも、わたし。

5 (ファイブ) 5年後、あなたはどこにいるのだろう?
ダン・ゼドラ Dan Zadra 伊東奈美子
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ヤフーの組織変革 現在進行形 – 『爆速経営―新生ヤフーの500日』

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これは、なかなかテンションの上がる一冊。

レビュープラスさんから献本いただいた本ですが、そうじゃなければ、もしかしたら手を取らなかったかもしれない。偶然ではあるんですが、このタイミングで読むことができて良かった本です。

『爆速経営』について

爆速経営―新生ヤフーの500日』は、井上元社長から宮坂社長体制になってからの新生ヤフー株式会社の約1年半の快進撃をまとめた一冊。宮坂社長をはじめとして、現場の経営陣の生の声を拾いながら、新生ヤフーの特徴をいくつかの観点からまとめています。

本の中盤には、2013年10月7日に発表されたeコマース事業における新戦略、Yahoo!ショッピングやヤフオク!の「無料化」についての話しまで載っています。「ギリギリまでがんばったんだなぁ」と思って読み進めてみると、この件については、具体的な内容までは明かされていないものの、ヤフーの川邊副社長から直々に大きな発表があるので、発売をずらせないかという話しがあったようです。

そういう背景もあって読み返してみると、たしかにヤフーにとってあまりネガティブなことは書かれていません。

そんな点を取り上げて、この本を「ヤフーをヨイショしている本」と見ることもできなくはないですが、ヤフーの「爆速経営」について、現在進行形で起きている生々しい変化の記録として読めば、組織変革についての貴重なケースとして参考にできる点がたくさんある一冊です。

ヤフーの組織変革のプロセス

天才経営者と呼ばれる前任の井上氏の後を継いだ宮坂社長が進める組織変革のプロセスは、この本の最後にまとめられている図を元にすると、次の5つで進められてきました。

  1. 理念の再定義
  2. 行動規範策定
  3. 目標設定
  4. 戦略策定
  5. 具体化

こうしてステップをまとめてみると、至って当たり前のプロセスではあるのですが、そういう「原理原則」に従いながら、大胆に進められてきた結果、2013年4月〜9月の業績は連結売上高が前年同期比約20.2%増、連結営業利益で約14.5%増という2桁成長を実現しています。

Yahoo! JAPAN – IR関連情報 – 四半期業績レポート(2013年度 第2四半期)

これは、社長になる前に取り組んでいたプロジェクトの進め方について「自分たちができるかどうかよりも、ユーザーが喜ぶかどうかで企画を決めていた」とメンバーから評されている宮坂社長が持つ、元々の気質に依るところも大きいのかもしれませんが、本書に書かれている内容だけを元にすると、全体としてきれいな一貫性があることに気がつきます(もっとも、本として一冊にまとめた結果、そういう「ストーリー」になっているという可能性も否めませんが)。

イノベーション組織のつくり方

シンプルな言葉によって動かしていく手法など、具体的で、印象的な内容も多かったのですが、中でも特に面白いと思ったのが第6章「再活性化 見られるからこそ社員は輝く」と第7章「試行錯誤 「!」を生み続ける組織へ」の内容。

第7章の中では「創造力を高める環境づくりについては、どのような考えを持っていますか」という質問についての宮坂社長の考えが紹介されています。

(前略)
単純に考えれば、イノベーションを起こすには、結合する要素をたくさん持っている人を増やせということです。たくさんインプットして、いろいろなことを知っている人をたくさん採用していくということです。
同時にそういう人たちがどんどん会話をしないといけないと思うんですよ。組み合わせはどうしたら起こるかというと、会議ではなく会話を増やすことなんです。雑談からアイデアって生まれるんですよね。すると、やっぱりカフェのような会話の場が大切になってくる。そんなイメージが漠然とありました。

では、そもそもそういう組織をどう作っていくのかということがまとめられている第6章と合わせて読むと、ヤフーがこれだけの快進撃を続けてきた理由がわかります。

もちろん、現在までのヤフーの状況を生み出したのは、宮坂社長をはじめとする新経営陣であることはたしかであり、それは本書の第5章までを読むとはっきりわかります。ただ、そういう状況を引き起こしている組織を生み出した舞台裏が紹介されている第6章、第7章の状況がなければ、やはりここまでの変革は起きなかったんじゃないかと思ってしまいます。

以前に翻訳をした『90日変革モデル』では、組織変革を実現したさまざまな海外企業の事例が多く載っていましたが、その日本版の事例として現実感を持って読める一冊です。

そしてこれからのヤフーがどうなっていくのか気になる人にとっても、これまでの軌跡を振り返ることができる良い本ではないかと思います。

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