バリュープロポジション・キャンバスの使い方(前編)

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顧客を見つけるのは永遠の課題ですね。

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「顧客を見つけるには何ヶ月もかかるが、失うのは一瞬」

ズキッとくる言葉です。笑えない。

かかる時間やコストを考えると、新規顧客を獲得するよりも既存の顧客を失わないようにすることを考える方が効率は良いですが、今回は顧客を獲得することを考えてみます。

少し前の記事ですが、『ビジネスモデル・ジェネレーション』の著者であるアレックス・オスターワルダーが『アントレプレナーの教科書』で紹介されている顧客開発モデルや『リーン・スタートアップ』の考え、そしてバリュー・プロポジション・キャンバスをどうやって組み合わせるのかを紹介しているエントリーがありました(バリュープロポジション・キャンバスの紹介はあとで)。

Test Your Value Proposition: Supercharge Lean Startup and CustDev Principles — Business Model Alchemist

このエントリーの中でも頭の整理に良かったのが、この図。

Test_Your_Value_Proposition__Supercharge_Lean_Startup_and_CustDev_Principles_—_Business_Model_Alchemist

バリュープロポジション・キャンバスとは、ビジネスモデル・キャンバスの中心にあるバリュープロポジションと右側にある顧客セグメントについての理解を深めるために使われるツールです。

これらのツールを、ビジネスモデルなのかバリュープロポジションなのか、デザインのために使うのかテストのために使うのかで分類したものが上で紹介している図です。つまりデザインのためにはビジネスモデル・キャンバス(ビジネスモデル向け)とバリュープロポジション・キャンバス(バリュープロポジション向け)を使い、テストのために顧客開発モデル(ビジネスモデル向け)とリーンスタートアップのサイクル(バリュープロポジション向け)に使うという分類のようです。

(とはいえ、このエントリーは2012年の9月に書かれたものなので、彼自身の考え方も今は変わっているかもしれませんね)

バリュープロポジション・キャンバスとはこんな感じのもの↓で、ここからダウンロードできます。

Test_Your_Value_Proposition__Supercharge_Lean_Startup_and_CustDev_Principles_—_Business_Model_Alchemist 2

このバリュープロポジション・キャンバスは、左側の四角は自社が提供するバリュープロポジションを、右側の丸は顧客セグメントを表しています。言い換えると、左側の四角は自社は何を提供するのか(WHAT)を考えるためのもので、右側の丸は顧客はなぜそれを欲しいのか(WHY)を考えるためのものです。

リーンスタートアップでは、MVP(minimum viable product)と呼ばれるプロトタイプを開発し、それを測定し、その結果から学習するというサイクルを回すことを提唱しています。そのMVPを作る前に、このバリュープロポジション・キャンバスを使うことで、リーンスタートアップのサイクルをより良く回すことができると言われています。

また、事前にバリュープロポジション・キャンバスで顧客セグメントと自社の製品やサービスの関係を十分に分析しておくことで、リーンスタートアップのサイクルを回す際の検証をより精緻に行うことができるようです。

では、このバリュープロポジション・キャンバスを具体的にどう使っていくのかは、長くなってしまったので、次のエントリーで紹介します。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書
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リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
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アントレプレナーの教科書
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photo credit: jm3 via photopin cc

BMGの使いこなしのヒントになる『ビジネスモデル・ジェネレーション ワークブック』

Strategy Roadmap Tool

昨日のエントリー「リーンキャンバスをWeb上で − leancanvas.com」でも紹介した「リーンキャンバス」は、『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』で紹介されている「ビジネスモデル・キャンバス」を元にして作られたものです。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書
アレックス・オスターワルダー イヴ・ピニュール 小山 龍介

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また『スタートアップ・マニュアル』では、冒頭の方で14のルールから成る「顧客開発マニフェスト」が紹介されていますが、その中の5つめでは

ルール5:ビジネスプランは顧客と対話をした途端に修正することになる。だから(1枚にまとまって、更新も容易な)ビジネスモデル・キャンバスを使うことが重要だ

として、ビジネスモデル・キャンバスを使うことを薦めています。ビジネスモデル・キャンバスを作ることで「どこでどうピボットするか」がわかるようになり、代替案をキャンバスに書き加えてみることで、ビジネスモデルを進化させていくことができるとしています。

このように、リーンスタートアップや顧客開発といった、最近注目されているコンセプトのベースによく出てくるのが、このビジネスモデル・キャンバスです。

そのビジネスモデル・キャンバスを、企業や個人でどう活用していったら良いのかというのを解説しているのが、最近出版された『図解ビジネスモデル・ジェネレーション ワークブック』です。

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実際にビジネスモデル・キャンバスを使って、さまざまなワークショップを開催した経験を持つ著者の今井さんが、その経験を元にビジネスモデル・キャンバスの使い方を説明したもの。いろいろな活用例が事例として取り上げられている他、実際に活用する際のプロセスやコツもまとめられていて、参考になります。

まだ『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』を読めていない!という人は、この『図解ビジネスモデル・ジェネレーション ワークブック』を先に読んでから目を通すと、読みやすいかもしれません。

図解ビジネスモデル・ジェネレーション ワークブック
今津 美樹

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リーンキャンバスをWeb上で − leancanvas.com

Lean Canvas

昨日の「リーンスタートアップを実践する −『Running Lean』」で紹介した『Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)』は読んで終わりというものではなく、やはり実際に自分で手を動かしてみると理解が深まります。

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とはいえ、いきなりスタートアップを立ち上げるというわけにもいかないのですが、『Running Lean』の中でも多くのページを割いて紹介されている「リーンキャンバス」を書いてみるというのは、誰でもすぐにできるのでオススメです。

Lean Canvas

上の図を見るとわかるように、これは『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』で紹介されているビジネスモデルキャンバスを元にして作られたものです。

そして、そのリーンキャンバスをWeb上で作ることができるのが、Lean CanvasというWeb上のツールです。

Business Model Canvas Optimized for Lean Startup | Lean Canvas

アカウントを作ってログインしてみると、Web上でリーンキャンバスが表示されており、そこに書き込んでいくことができます。各要素についているクエスチョンマークをクリックするとその要素についてのヘルプも表示されるので、手元に本がなくても、このWebだけで書き進めることができます。自分でも試しにいくつかのキャンバスを書いてみましたが、きちんと日本語も表示されますし、作ったものをPDFとしてダウンロードすることができるのも便利です。

Lean Canvasのトップページに書かれているように、リーンキャンバスの作成は20分以内が目安となっています。『Running Lean』の中でも「一気にスケッチしましょう」とあり、

スケッチを始めると際限なく続けてしまうので、最初は15分以内に終了してください。リーンキャンバスを作るときに気を付けて欲しいのは、まずは考えていることを全部書き出すということです。

と紹介されています。これ以外にも「空欄があっても構いません」などというように、きっちりしたものを作るよりも、どんどん埋めていくことの方が大切なようです。自分が取り組んでいる(あるいは取り組もうとしている)ビジネスで書いてみるのはもちろん、よく知られたサービスや競合のサービスなどを取り上げて書いてみるのも良いかもしれませんね。ちなみに、このエントリーの冒頭に載せているキャンバスは leancanvas.com自体のサービスを書いたサンプルです。

このツールを自分ともうひとりで使う場合は無料。それ以上の人数、チームなどで利用する場合は月額12ドルからの有料プランが用意されています。

先ほど紹介した『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』に関連したサービスもあります。

Business Model Generation

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