『プロダクトマネジャーの教科書』

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プロダクトマネジャーの教科書』が出ました!

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いつもと違う感じで始まった本の紹介。自分が訳した『プロダクトマネジャーの教科書』が遂に発売されました。

本書は「プロダクトマネジャー」という職務について体系的にまとめられた本です。日本では、まだまだ「プロダクトマネジャー」という職種になじみはないかもしれませんが、既に海外では定着していて、国内でも一部の外資系の企業でこの職種があるのを見かけます。

日本語ではこの名前を冠した書籍もまだまだ少ないですし、現在手に入るもののうち、その職務を体系的にまとめたものは(恐らく)ないため、翻訳する意義があると感じ、今回この本を翻訳しました。

内容は決して難しいものではなく、しかも事例が豊富で、各専門家へのインタビューも掲載していますので、「プロダクトマネジャー」の職務をイメージしながら理解することができる良書だと思っています。ご興味があれば、ぜひ買ってください!

今日は神保町のお客さんのところに行っていたので、帰りに三省堂に立ち寄り、3階のビジネス書フロアにあるのを確認してきました。新刊コーナーのところに5冊ほど、マネジメントの棚に同じく5冊ほどありました。ついでに九段下駅前の啓文堂書店にも寄って5冊ほど積まれているのを確認してきました。既に親バカ状態です(笑)。

今年の2月の中頃に株式会社アウトロジック代表の杉本さんと、アウトロジックでご一緒させて頂いている川月さんからお誘いを頂いたのが今回の翻訳書出版のきっかけです。査読を経て、ゴールデンウィーク前に正式に翻訳が決まり、それから仕事でもバタバタしながら5ヶ月かけてやっと脱稿しました。編集を担当して下さった翔泳社の外山さんも含め、皆さんには本当にお世話になりました。本当にありがとうございます。

ベストセラーになってがんがん売れるような本ではないかもしれませんが、長い間皆さんに必要とされるような、そういう本になってくれればと思っています。

既に「ビジネス書の杜 pm_book_style」で書評を書いて下さっています。ありがとうございます。

・ビジネス書の杜 pm_book_style: 待望のプロダクトマネジメントハンドブック
http://people.weblogs.jp/books/2006/12/post_675c.html

もし読んで下さった方がいらっしゃいましたら、感想をいただけると嬉しいです!

『IBM お客様の成功に全力を尽くす経営』

IBM お客様の成功に全力を尽くす経営』を読みました。

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なかなか面白い本でした。

本書は『巨象も踊る』の著書もあるガースナー改革以降のIBMで取り組まれている変革について書かれている。各章ごとに日本IBMのトップ陣(第1章はIBM会長兼CEOのパルミサーノ)が担当している。HBRの記事を元にしているか、あるいはそのままの章もあるようだが、全体を通してIBMの現在の改革への取り組みと今後の展望を知ることができる1冊になっている。

自分が特に面白いと思ったのは、IBMの取り組みなども交えてイノベーションについて論じている第2章、プロフェッショナルを育成するためのIBMの取り組みについて書かれた第3章、サービス・サイエンスの概要ついて書かれた第4章、そして日本IBM会長の北城氏が日本企業や日本の現状について語っている第7章だ。

特にサービスサイエンスについては、shiba blogの下記のエントリーで初めて興味を持って以来、なんとなくきちんと調べずにいたのだが、この1章でだいぶ概観できた感じ。

・IBMのサービスサイエンス:shiba blog
http://blog.outlogic.jp/shiba/archives/001105.html

ちなみに、この章はOutlogicの杉本さんが下記の記事で書いているHBRの記事とまったく同じはずです。

・OutLogic – 視点 リサーチ- サービス・サイエンスの可能性 – DHBR 2005.11
http://www.outlogic.co.jp/modules/news/article.php?storyid=306

まだまだかじった程度ではあるけど、サービス・サイエンス、かなり面白そうだ。

また、第2章でIBMが戦略策定のために作成するレポートとして次の3つを紹介している。

・GTO(グローバル・テクノロジー・アウトルック)
・GMT(グローバル・マーケティング・トレンド)
・GIO(グローバル・イノベーション・アウトルック)

このうち最新のGIOについては、次のblogで全訳を読むことができる。

・IBM GIOレポートの翻訳 = イノベーション・インサイト(1)
http://jisi.dreamblog.jp/blog/94.html

いきなりいくつか紹介してしまったが、今まで何となく読んでいたものがこの1冊を読んでつながった感じがある。また、IBMがコンピューター・メーカー(あるいはハードウェア・ベンダー)からソリューション・プロバイダーへと戦略を転換した一連の流れやその意図がとてもわかりやすくまとまっている1冊である。(『巨象も踊る』も読みたくなった)

ソリューション・プロバイダーへの戦略転換という流れは、IBMに限った話ではなく、今後多くのIT企業が考えている、あるいは既に実践している流れなので、その流れをつかむ一助としてもこの1冊は役に立つかもしれません。

最後に、北城氏の章で彼自身が語っていた言葉でぐぐっと来るものが多かったので、ここで3つほど紹介してみます。

官の役割は、個人や民間がイノベーションに挑戦するための環境やインフラを整備することです。みずから努力し、新しいことに挑戦する人が報われるような制度を構築することが、自身の使命であることを自覚すべきです。

企業のみならず、公的なサービス機関のIT化は急速に進んでいますが、その効果はまだまだ限定的です。個人が将来への不安ゆえに萎縮することなく生活できる環境をつくるためにも、さらには人々が生き生きと挑戦することができる社会をつくるためにも、公的機関のイノベーションは断固として進めてもらわなければなりません。

我々が目指す社会の姿やイノベーションの意義を、個人の発想や自覚にまで浸透させなければ、本当の意味でのイノベーションは起こりません。わが国の教育・人材育成のあり方も、多様性や差異を前向きにとらえる社会、自助努力や挑戦が報われる社会という、我々が目指す社会の姿を見据えつつ、大胆に改めることが必要です。

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