どこでもホワイトボード – 「どこでもシート」

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最近はご自身でワークショップを主催している人も多いので、知っている人にとっては「当たり前」だと思うのですが、自分は初めて知った時に感動したので、ご紹介。

そんなもったいぶって紹介するのは何かというと「セーラー万年筆 どこでもシート 600×800」なる代物です。

会社を立ち上げた当初、ホワイトボードはどうしてもほしいなぁと思っていたのですが、まずはスペースがない。そして、まだまだ資金的にもそんなに余裕がない(というか、実際にはどれくらい使って大丈夫かの見通しが立てられてなかったというのが正確なところですね)。

そんな状況で「どうにかできないものか…」といろいろ探していた時に見つけたのが、この「セーラー万年筆 どこでもシート 600×800」です。

これはサランラップみたいな感じでシートが収められているもので、それを引き出して使います。大きさは幅600×高800mmで、その大きさごとにミシン目が入っています。取り出したそのシートは静電気で壁やガラス窓などに貼り付けることができ、そこが「ホワイトボード」になるというもの。

自分のこれまでの経験では窓のようなつるんとしているところはもちろんきれいにくっつきますし、少し凹凸があるような壁紙が貼られている壁にも難なく貼り付けることができています。

ただし、後ろに凹凸があると書きにくいのはもちろん、イレイザーでは消しにくい(これは凹凸がないところでも比較的そう)ので、自分の場合は業務用のウェットティッシュ(OAクリーナー)で消しています。その場合、乾くまで待つ必要はありますが、乾けばまた普通に書くことができます。

普通のホワイトボードと同じく、何度も使っていると消えにくくなりますが、燃えるゴミとして捨てることができるので、古くなったら折りたたんでゴミに出せば済むというのも助かるところ。

ホワイトボードのように使えるものの他、透明状の「どこでもシート透明」もあります。透明なので、すでに貼られているものの上に貼って、書き足したりと工夫して使える一品。

値段が少し高いと感じるかもしれませんが、25枚分入っていて、しかも1枚を何度も使うことができるので、お得だなと思いますよ。

「さすがに家にホワイトボードは置けない…」と思っている人や、いろいろな場所でホワイトボードを使いたいと思っている人にはオススメです。

仕事の意義を問う『MBB:「思い」のマネジメント』

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MBB:「思い」のマネジメント ―知識創造経営の実践フレームワーク』を読みました。

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自分はマジメな学生ではなかったので、学部生の時は一度も就職活動をせず、修士に行ってからも、インターンなんてものがあることさえ知らず、企業研究なんかもせず、なんとなくイメージで、しかもかなり遅いタイミングで就職活動を始めた。

そんな自分が持っていた唯一の問題意識は「なんで仕事をするんだろう?」という、聞く人からしたら子どもみたいな疑問だった。

就職してからも、最初に配属された部署の上司と新人数名で飲みに行った時に「なんで仕事しなきゃいけないんですかね?仕事って何ですかね?」みたいなことを聞いたが、結局、要領を得なかった。扱いにくそうな新人が来たなと思われたことだろう。

その後、最初に投げ込まれたプロジェクトは、そんな扱いにくいと思われる質問をする間もないところで、あっという間に時間が過ぎていった。

ただ、そういう問題意識が完全に抜け落ちてしまったことはなく、しかも最近になって改めて「仕事をすること」について考えている自分にとって、本書の帯に書いてある

仕事の楽しさとは何だろうか。自分はいったい何をやりたいのか

という言葉には大いに興味をひかれた。

本書では、従来のMBO(Management By Objective;目標によるマネジメント)に対してMBB(Management By Belief;「思い」のマネジメント)という考え方を紹介している。

MBBについては、本書の至るところで解説がされているが、そのひとつでは次のように説明されている。

ビジョンを抱き、仕事に対して自分なりの意味づけをし、信念と価値観を持って、仕事を通じて実現したい夢に向かっている個人。「自分はいったい何を目指したいのか」というイメージを抱いて仕事に向き合っている個人。こうした「思いを持つ」個人を想定するマネジメントの考え方がMBBである。(p.47)

ただし、個人が「思い」を持つだけでは十分ではなく、

自分が勝手に、独りよがりの思いを持っていても、それは知識経営にはつながらない。他者と交流する中で知を交差させ、ぶつけ合って、組織的に知識を正当化して、より高質な知識を生み出していくことが重要である。そのためには、最初は自分一人の思いに出発点があるとしても、それを他者と共有し、切磋琢磨し、組織的な思いとして磨き上げるプロセスが重要だ。(p.52)

とある。

このようなMBBのコンセプトやそれを実現するプロセスが詳しく解説されている。

多くの人が経験したことがあるMBOと、本書で紹介されているMBBは排他的なものではなく、車の両輪として組み合わせて使うものとされており、具体的にどう利用していくのかについても紹介されている。

途中には、MBBのケーススタディとして、「思い」に基づいて仕事をしている人や、MBBを実践している経営者が紹介されているので、MBBを具体的にイメージするのに役に立つだろう。特に星野リゾート社長の星野氏の話はなかなか参考になった。

以前に紹介した『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』では、「学びたい!創造したい!世界をよくしたい!」という思いをモチベーション3.0と定義していたが、まさにそのような「思い」に基づいて仕事をし、マネジメントをしていくのがMBBだと言える。

・『モチベーション3.0』が問う私たちの働き方 – Stylish Idea
http://www.stylishidea.com/archives/1849

MBBとは、本書を読んだだけですぐに実行できるような簡単なコンセプトではないし、ましてや自分の会社がこのような制度を導入するまでには、多くの課題を克服しなければいけないかもしれない。

だからと言って「お勉強」でとどめるのではなく、本書でも紹介されている手法を使いながら、まずは自分の「思い」を確認し、それを日々の仕事の中でどう関連づけていくのかを考えることから始めるのが良いかもしれない。

「仕事は大変なものだ」「若いうちは苦労をしろ」という意見もわからないわけではない。

ただ、本当にそうだろうか?と立ち止まって考え(それは決して、そういう意見を全否定することにつながるのではない)、時間をかけて自分の「思い」を確認することは意義のあることではないだろうか。

本書で出てくる考え方の中でも「共通善(common good)」という言葉はとても印象に残っている。個人の「思い」とはいえ、それは独善的なものであってはならず、より質の高い、普遍的な価値、すわなち「共通善」に向かう必要があると本書では説いている。

先ほども紹介した『モチベーション3.0』といい、世の中が、仕事における個人のあり方を見直す方向に動いていると感じる。

そのような中では、決められた枠組みの中で、目の前の与えられたものをこなしていくのではなく、自分の「思い」を軸として、新しい価値を生み出していくことが求められているのだと思う。

とても刺激的な時代を、どう進んでいくのか。改めて自分の「思い」を探りながら、考えていきたい。

MBB:「思い」のマネジメント ―知識創造経営の実践フレームワーク
一條 和生 徳岡 晃一郎 野中 郁次郎

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「事実」と「意見」の峻別

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日経ビジネスオンラインに載っていた「営業力が飛躍的に高まる」という記事が面白かった。

・営業力が飛躍的に高まる (ビジネス基礎体力):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20070626/128389/?P=1&ST=sp_office

毎週水曜日の朝、サイバーエージェントのインターネット広告事業本部(東京本社)では、総勢130人の部員全員が、10分間の「小テスト」を受ける。内容は、「Yahoo!」や「mixi」などのネット広告媒体に関する基礎知識を問うものだ。これらに広告を出したい顧客から媒体についての質問を受けた時に、最新の数字や情報をすぐに答えられれば、信頼を得て契約につながりやすい。華麗な売り文句より、自分たちが取り扱う商品知識をきちんと理解することで売り上げアップを狙う。そのためのトレーニングである。

これは営業担当者だけではなくて、どんな社員でも、あるいは仕事だけでなくて、プライベートでも実践してみると有益だと思う。

仕事というのは、大抵の場合、ある分野に特化した作業を比較的まとまった時間続けることになる。

そうすると、もちろん本人の努力にも依るけど、だいたい数ヶ月で何となくその分野のぼんやりとした枠が見え始め、それこそ数年もやっていると、その分野に携わってない人から見れば「プロ」と呼ばれても良いくらいになる。「プロ」は極端かもしれないが、少なくともある分野のことについては全体像が見えるくらいになっているだろう。

そうなってくると、その分野や業界で起こっていることを、何となく「感覚的に」わかってしまうようになっている。良くも悪くも。良く言えば「直感的にアタリがつくようになる」のかもしれないが、下手をすると思いこみのまま理解してしまっていることになっているかもしれない。

例えば、「やっぱ○○社って、調子良いよね」とか、「最近○○社が一気に伸びてきたよね。もう○○社のシェアってやばいんじゃない?」というような感じの会話や、自分の脳内での勝手な理解をしてしまっていることってないだろうか?

必ずしもこういう姿勢が悪いわけではないが、「それって実際に本当なんだろうか?正確な数字でも、本当にそう言えるんだろうか?」という問題意識は、頭の片隅にでも常に持っておかなきゃいけないと思う。

毎回調べているとそれはそれで面倒だし、ともすれば無駄だけど、「これは今までの知識と経験の蓄積で判断していて、正確な数字とは違うかもしれない」という意識を持って、定期的に調べれば良いと思う。

投資をやっている人なら読んでおいて損はない「10秒で読む日経!」というメルマガがある。(日経をネタにしたメルマガは多くて玉石混淆だけど、これは良いと思う)

そのメルマガの今日の配信でこんな言葉があった。

投資に限ったことではないが、ものごとを正確に判断するに大事なのは「審議を尽くすために延長する」とか「プライベートエクイティが人気」と言った「意見」は無視して、「審議しない」とか「経営陣が持株を売却」という「事実」だけをとりだして、「事実」を基に判断すること。

・10秒で読む日経!視点が変ると仕事や投資の種になる[まぐまぐ!]
http://blog.mag2.com/m/log/0000102800/108702195.html?c=new

著者の方が「投資に限ったことではない」と書いているように、「事実」と「意見」を判別する姿勢というのは、ついつい忘れがちだけど、とても大切だなぁと思った。

というわけで、サイバーエージェントのインターネット広告事業本部のように、自分も心がけて「小テスト」を自分に課していこうかな。

photo credit: MC =) via photopin cc