未来のステークホルダーと出会う『フューチャーセンターをつくろう』

BK002009

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み』を読みました。

近頃、目にすることが増えてきた「フューチャーセンター」についてまとめた一冊。著者は、フューチャーセンターの普及に取り組み、『裏方ほどおいしい仕事はない!』などの著書もある野村恭彦さん。

本書はフューチャーセンターの歴史から思想、そして実際にフューチャーセンターを立ち上げるために必要なハード面とソフト面を具体的に紹介している本。だからといって、安易にフューチャーセンターに取り組むことを薦めるものではなく、本当に変革を起こしたいという覚悟というか心構えにも触れているフューチャーセンターの入門書であり実践書でもあるという一冊。

本書を読んで、ぜひともさまざまな立場で、もちろんフューチャーセンター・ディレクターとしてもフューチャーセンターに取り組んでみたいと思い、今は頭の中でいろいろな想いが駆け巡っている。

ここ最近、スマートグリッド関連の講演会やセミナーなどで話をする時(最近だと第51回電気科学技術講演会での講演)、プレゼンの最後の方で、MITのメディアラボ教授の石井裕氏のプレゼンのまとめの部分を紹介することが多い。

見ていない人にはネタバレになってしまうので詳しくは書かないが、2200年というキーワードを拝借して、今後、エネルギーなどの取り組みを行っていく時に持つべき姿勢を自分なりに考え、紹介している。

今までの自分の活動(仕事に限らず)を振り返ってみると、自分は決して声が大きく、人をぐいぐい引っ張っていくような立場ではなく、かといって受け身でじっとしているような人間でもない。本書の言葉を借りれば「場」を作って、そこから大きな変革にはつながらないまでも、参加した人の中の変化につながるようなものにできればと心がけてきたし、そういうことが好きだと思っている。何よりそういう「場」で、人と人とがつながって新しく生まれるエネルギーのようなものを感じるのは、とても心地よいと思っている。

本書の中でも紹介されているワールドカフェは、参加者としても主催者としてもいくつかかかわったことがあったものの、特に昨年はいろいろな事情で、そういう取り組みを継続できずにいた。今年はもっといろんな可能性に取り組んでいきたいと思っていたところに本書に出会えたのは本当に幸運だ。

本書の中で、野村さんが

未来人とは、自らの感性と価値観を信じ、今を生きている人だと思います。未来のことを夢想している人ではありません。現状の社会に依存するのではなく、自らの足で立って歩いている人、それゆえ他の人から見ればユニークな世界観で生きているように見える人たちです。(p.155)

と書かれているのを読んで、思い浮かんだのがJohn LennonのImagineの歌詞のこの部分。

You may say I’m a dreamer
But I’m not the only one
I hope someday you’ll join us
And the world will live as one

昨年の震災以降、多かれ少なかれ、皆、いろいろな想いを持ってこの国で暮らしている。閉塞感を感じながらも、政治へのあきらめ、会社の中にはびこる「当たり前」へのあきらめなどに思考を停止させられそうになっている。そんな中、対話を通し、未来のシナリオを描き、イノベーションを生むためのデザイン思考を駆使し、フューチャーセンターに取り組む。そういう一人一人の活動から、新しい世界が開けていくのじゃないかと思う。

自分のできることから、取り組んでいきたいと思う。

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