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その言葉は本物か?

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以前にこんなエントリでfollowdreamさんにお会いしたいというようなことを書いたが、縁あってお会いする機会を得た。それもこれもOutlogicの杉本さんにそういう場にお誘い頂いたから。杉本さん、貴重な機会にお誘い頂き、本当にありがとうございました。

followdreamさんはお忙しく、その場には後半からしかいらっしゃれなかったのだが、本当に人間的に素晴らしい方でした。あれだけ優秀でいらっしゃいながら、どうしてあんなに腰が低いのか。自分には足りない部分なので、本当にすごいなぁと思っています。

そのfollowdreamさんが先日、「企画力」という興味深いエントリーをご自身のblogで書かれていた。

・Follow Your Dream Leads Others To Theirs – 企画力
http://d.hatena.ne.jp/followdream/20051201/p2

このエントリー中で

「理論先行型コンサルタント」「知識偏向型コンサルタント」は「言葉が軽い」。これは「無意識の無責任さ」からくるものだ。コンサルタントのように見かけ綺麗に語れなくてもみんな人を見る目は持っているものだ。だれが軽い言葉しか使わないがすぐにわかるものだ。

と書かれていて、大いに考えさせられてしまった。

少し話はずれるが、少し前に青山にある岡本太郎記念館に足を運んだ。岡本太郎といえば、その奇抜なイメージや熱いメッセージを吐く人という印象が先行しているかもしれない。自分はたまたま縄文文化を調べるような機会があった時に彼の名前を見つけ、彼の考えに惹かれていった。とはいえ、彼は絵を描くのが仕事である。彼の実際の作品を見ないで何をか言わんやということで、行ったのが岡本太郎記念館だ。

こことは別に岡本太郎美術館というのがあるようなので、多くの作品はそちらに集められているのか、岡本太郎記念館に所蔵されている作品の数はあまり多くはなかった。しかし、いくつか岡本太郎氏の実際の作品を目の前にして、ただただ立ち尽くしてしまった。

芸術家とはいえ、日々の生活費を稼ぐ必要もあるだろうし、自分の意志と完全に合致していないでも作品を生み出さなくてはいけない場面もあるかもしれない。しかし、自分の眼前にそびえる岡本太郎の作品はそういうものとは無縁のように感じた。何かの目的で描いているのではなく、ただ描きたいから、もっと言えば描かなければいけないから描いたというようなものなのかもしれない。彼の中からあふれ出てくるエネルギーが突き動かして生み出されたような作品は、ただただ圧巻だった。

推測でしかないが、彼は描く必要があったとか、そのように要請されたわけではなく、ただただ「描きたかった」のではないか。そう思わせてしまうエネルギーに満ちあふれている作品で、見ている自分は立ち尽くすしかなかった。

もちろんそのような仕事(というと違和感はあるかもしれないが)の仕方は芸術にかかわる仕事をしている人に特有のことかもしれない。しかし、程度の差やアウトプットの違いはあるにせよ、どのような仕事をやっていてもこれは共通することかもしれない。

つまり、上辺だけでなく、その仕事は自分の心の底からあふれ出てきた結果なのか。猛烈なエネルギーを注ぎ込めるだけのものなのか。考えに考え抜いて、その結果あふれ出てきた言葉なのだろうか、ということだ。

現代の我々の周りにはたくさんの情報があふれている。ともすれば、巷にあふれる書籍やネット上での発言をあたかも自分の意見のように思って、流用してしまうようなこともあるかもしれない。一概にそれが悪いとは言えないだろうし、そういう経験を経て、自分の知識が変容していくことは多いにあり得ることだ。しかし、そういう知識や言葉が、自分の経験から出たものなのか、あるいは他の受け売りなのか。きちんとそれらを識別して使い分けることは必要だ。

なぜなら、一見もっともらしく心地よいが全く「自分の言葉」ではない言葉は、followdreamさんの言うように軽い言葉になりかねない。そして、それに周りが気づいてしまう。そういう場面で何よりもたちが悪いのが、そういう発言が、あたかも自分の実力だとはき違えてしまうことではないだろうか。

日々忙しく仕事をし、大量の受け売りの言葉を消費していると、それが受け売りの軽い言葉だと意識しなくなってしまうことがある。自戒も込めて言うと、これはとても恐ろしい。自分のことを冷静に見、常に客観的な判断を繰り返しつつ、自分の言葉を語るように努める。もちろん最初からそういうことができれば苦労はしないが、そういう謙虚な積み重ねが、「軽い言葉」の使い手にならない最良の方法なのかもしれない。

「物言えば唇寒し秋の風」とはよく言ったものだ。秋はとうに過ぎてしまったが、寒い風に身も口も引き締め、日々鍛錬していこうと思う。

追記
このエントリーを書いた後、followdreamさんがGoogle Talkにログオンされていたので、図々しくも話しかけてしまった。(お忙しいのにお付き合い頂きありがとうございます)いろいろとお話しさせて頂き、またありがたい言葉も頂いて嬉しかった。最後に好きな言葉ということで、シェイクスピアの『ヘンリー五世』から以下の言葉を贈って下さった。

苦しい艱難を私は抱こう。それが最良の道と賢者が言う故

気を引き締めて明日からも頑張ります。(12/4追記)

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