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小論文を自動採点と言うけれど

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最近になって、改めて文章を書くのは難しいなと思う。

こうしてblogを書くのもそうだし、メルマガで何かを書く時もそう。そして、何よりも痛感しているのが、普段のメール。メールを送る相手にもよるが、特に難しいなと感じているのが、仕事上のメール。毎日怒濤のようにメールが行き交う中、山ほどメールを読む中で、自分の言いたいことをスパッと簡潔に伝える。これがなかなか難しい。いかに自分の言いたいことを、簡潔に、わかりやすく伝えるか。意識的に取り組んでいるところ。

そういう問題意識を持っている中、少し前にこんなニュースがあった。

・小論文、コンピューターで自動採点 入試センターが試作 (朝日新聞) – goo ニュース
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20050215/K2005021502180.html

大学入試の科目のひとつである小論文。その小論文を自動採点する仕組みを、大学入試センターが開発しているということだ。このシステム、Jessという名前で、パソコン入力された800~1600字程度の小論文を、文章の形式や論理構成、問題文に対応している内容かという3つの観点から評価し、10点満点で判定するというもの。

この小論文自動判定システムの試作版をネット上で試用できるということで、実際に試してみた。

・Jess : Automated Japanese Essay Scoring System
http://coca.rd.dnc.ac.jp/jess/

試しに自分のblogのエントリーからいくつか選んで、その記事を書いたきっかけを問題文にした。いくつか試した結果、最高が7.7点。最低が5.5点だった。点数と一緒に、先に挙げた3つの観点からの評価結果が表示される。

ここで疑問に思ったのが、修辞の部分。修辞の部分の減点要因がいくつか挙げられているのだが、ちょっと首をかしげてしまうものがある。例えば「漢字の使用が少ないように見受けられます」とか「語彙の多様性が不足しています」とか「長くて難しい語がやや少ないように見受けられます」といった類の指摘だ。

うーん、これはどうなのだろうか?小論文の判定基準として、果たして妥当な項目なのだろうか?これだったら、入試科目に漢字のテストでも加えた方が良いのではないだろうか。別に自分が低い点数をつけられたから文句を言い出しているわけではなく:-P、この評価基準は小論文の採点基準として、果たして妥当なのか心配になってしまう。

記事によると「Jessは、あらかじめ、理想の小論文として全国紙の2年分の社説、コラム計約2000本を記憶し、「学習」している。文の長さ、漢字・かなの比、言葉の多様さ、受動態の割合、接続詞の使い方などの統計分布から割り出し、模範に近いほど高い点数を与える仕組みだ。」なのだとか。

最近の小論文試験が、どのような能力を測るために課せられているのか詳しく理解はしていないが、社説やコラムが理想の小論文として定められているのに、ちょっと違和感を感じてしまう。

大学受験とは、大学に入って学業や研究を遂行する能力を持っているかどうかを判断する試験ではないのか。大学での研究の結果として作り上げる成果物は、ほとんどの場合論文である。そういう状況を考慮すると、小論文試験は、たとえ小さくても「論文」という名を冠している限り、やはり大学に入ってから研究の成果物として論文を書く下地を持っているかどうかを試す試験であるべきなのではないかと思ってしまう。

確かに、新聞の社説やコラムは「名文」だと信じられているし、当然のことながら下手な文ではない。しかし、それらの「名文」を理想的な小論文のモデルとするのは、やや見当違いなのではないかと思ってしまう。

もちろん、小論文という試験が難しい漢字や豊富な語彙を駆使して、「名文」を書くことを試されている試験ならそれで良いのかもしれないし、社説やコラムのような文章を書く力を身につけるというのも、とても大切なことだと思う。ただ、大学入試という試験の性格を考えると、やや視点がずれているような気がしてしまう。

まだ日本でしっかりとした「国語」ならぬ「日本語」指導が行われていないはずなので、大学入試でいきなり「論文を書く下地があるかどうか試します」と言われても困るのかもしれない。とはいえ、今後、ぜひ論文の類の文章もJessに学習して頂いて、そのような試験を見越した「日本語」教育も進んでいけばいいなと思う。

と、下手な日本語で書いても説得力はないのだが…

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